10年使ったランドロックが「修理不可」でした。自分でシームテープを貼り直した結果

キャンプ・アウトドア

10年使ったテントが、雨漏りしました。

メーカーに修理を依頼したところ、返ってきた答えは「修理できません」でした。

スノーピークのランドロック。2014年に買って、14万9,040円でした。永久保証をうたっているメーカーです。それでも、直せないものは直せない。

この記事は、そこから自分でシームテープを貼り直してみた記録です。結論から言うと、補修そのものは成功しました。でも、雨漏りは止まりませんでした。その理由まで含めて、正直に書きます。

2014年8月5日、買ったばかりのランドロックを公園で試し張りしたところ
2014年8月5日。買ったその日に、近くの公園で試し張りしました

これが買った日の写真です。ちゃんとしたテントを買うのは、これが人生で初めてでした。YouTubeで設営方法を何度も見てから行ったので、初回にしては30分ほどで立ちました(ロープダウンとインナーテントは除く)。噂どおり、とにかく重かったのを覚えています。

そして10年後が、これです。

いまのランドロックは、こうやって使っています
いまのランドロックは、こうやって使っています

雨の夜、ひとりだけ眠れなかった

2024年の8月、新潟へ4泊5日のキャンプに行きました。久しぶりの遠征です。

ところが台風の影響で、ずっと雨でした。

夜、寝ていると顔にポツ、ポツと水が当たります。 家族はインナーテントの中でぐっすり眠っていました。私はリビング側に置いたコットで寝ていたので、そこが直撃だったわけです。

濡れて、寒くて、眠れませんでした。

朝になって、苦肉の策を思いつきます。テントの上から、タープをかけてしまおう。

やってみたら、雨漏りは止まりました。屋根をもう一枚足しただけです。でも、確かに止まった。

雨の林間サイト。テントの上からタープをかぶせて張っている
2024年8月、新潟。雨漏りを止めるために、上からタープをかけました

最終日も雨撤収で、濡れたまま持ち帰ることになりました。

「修理できません」という回答

帰宅して、ゼビオに持ち込みました。 スノーピークの取扱店なら、預かってメーカーへ送ってもらえます。預かりは無料でした。修理を考えている人は、近くの取扱店を当たってみるといいと思います。

回答が来たのは、2024年の8月27日。要点はこうでした。

  • 幕体の裏側のPU(ポリウレタン)防水加工が劣化・変質していた
  • PU加工が劣化すると生地から浮いてしまい、防水機能が失われる。これが雨漏りの原因
  • シームテープはその裏側のPU加工に接着しているので、PUが浮いていると貼り直しても冷めるとまた剥がれる
  • 水漏れ検証をしたところ、縫い目だけでなく生地そのものからの水漏れも確認された
  • したがって、雨漏りを完全に防ぐ修理はできない。修理不可

ただし、大きな破れや裂けはないので、晴れの日のデイキャンプなら使えるとの案内もありました。

買ったのが2014年7月。回答が2024年8月。ちょうど10年でした。

返ってきたあとで内側を見たところ。縫い目のシームテープが剥がれています
返ってきたあとで内側を見たところ。縫い目のシームテープが剥がれています

戻ってきたテントは、乾いてきれいに畳まれていた

ひとつだけ、書いておきたいことがあります。

濡れたまま出したテントが、乾燥させて、きれいに畳まれた状態で戻ってきました。

修理はできなかったわけですが、ここはメーカーの丁寧さを感じました。雨撤収のまま送りつけたのに、そのまま返ってこなかった。

「永久保証」について思ったこと

正直に書きます。がっかりしました。

高いテントを買うとき、永久保証を大々的にうたっているのを見て、それを信用して買ったからです。それなのに、10年で「打つ手なし」になる。

あとで調べたら、スノーピークの保証規定(公式サイトの「安心保証」のページ)には、実はこう書いてありました。

素材の経年による劣化や使用による激しい損傷など製品寿命である場合、修理不可能な場合もございます

つまり、規定としてはきちんと明示されています。 製造上の欠陥なら無料で修理・交換、それ以外は適正な価格で修理。そして寿命なら修理不可。読めば書いてある。私が読んでいなかっただけです。

そのうえで、ひとつだけ思ったことがあります。

「加水分解」という言葉も、年数の目安も、どこにも書かれていません。

テントのPU加工が加水分解で寿命を迎えることは、キャンプをしている人なら知っている話です。でも、初めて高いテントを買う人は知りません。「永久保証」という言葉のほうが、圧倒的に目に入ります。

「おおむね10年程度で防水加工の寿命が来ます。それは保証の対象外です」と書いてあれば、買うときの心構えが違いました。批判したいわけではなくて、そう書いてくれたほうが親切だと思った、という話です。

1年考えて、自分で貼り直すことにした

しばらく、どうするか考えていました。

翌2025年の夏、またキャンプ旅行の案が出ます。そこで、もう一度考えました。

プロが「修理不可」と言ったテントを、自分で直せるか試してみよう。

失敗しても、もともと修理不可です。失うものはありません。

古いシームテープが、触るとこのとおりボロボロと落ちてきます
古いシームテープが、触るとこのとおりボロボロと落ちてきます

この写真が、劣化の状態をいちばん正直に表していると思います。白い破片がぱらぱら落ちる。もうテープとしての役目は終わっています。

買ったもの

買ったもの金額
Anboli シームテープ 幅25mm×長さ30m(アイロン接着・ホワイト)749円

結局、4個買いました。合計120mです。 全部は使い切っていませんが、テント内側の大半を貼り直すとこれくらいの規模になります。1個749円なので、材料費は3,000円ほどです。

同じときに、ニクワックスの撥水剤(TXダイレクトスプレー)と、GEAR AIDのシームグリップ+WPも買いました。ただしこの2つはまだ使っていません。 次に設営するときに試してみようと思っています。使っていないので、使用感は書けません。

アイロンがなかったので、ヒートガンでやりました

ここは先に注意を書いておきます。

【注意】これはメーカーが推奨している方法ではありません。買ったシームテープは「アイロン接着」タイプです。ヒートガンは非推奨とされています。温度が上がりすぎると生地を痛めます。真似される場合は自己責任でお願いします。

そのうえで、なぜそうしたかというと、単純にアイロンが家になかったからです。ヒートガンはありました。それだけの理由です。

部屋の中に広げて作業しました。テント1張り分を広げるとこの面積になります
部屋の中に広げて作業しました。テント1張り分を広げるとこの面積になります

やり方は、こうでした。

  1. 長い時間あてない
  2. ヒートガンの首をフリフリさせながら当てる。一点に熱を集中させない
  3. テープがきゅっと張り付いていくのを、目で見ながら進める
  4. ある程度テープが溶けたら、温めるのをやめる
  5. ウェスで上からトントンと圧着させる

ポイントは、3と4だと思います。ヒートガンは温度調整が効きませんが、「張り付いていくのが見えたらやめる」を守れば、当てすぎずに済みます。

テープがきゅっと張り付いていく、この瞬間を目で見ながら進めます
テープがきゅっと張り付いていく、この瞬間を目で見ながら進めます
新しいテープを貼ったところ
新しいテープを貼ったところ

生地はどうなったか

基本的に無事でした。 多少テカった感じはあったかもしれない、という程度です。縮んだり、溶けて穴が開いたりはしていません。

ただ、これは「首を振りながら、短時間で」を徹底した結果です。ヒートガンを一箇所に当て続けたら、たぶん違う結果になっていたと思います。

貼り終わったところ
貼り終わったところ
縫い目に沿って、内側の大半を貼り直しました
縫い目に沿って、内側の大半を貼り直しました

結果:補修は成功しました。でも雨漏りは止まりませんでした

2025年の8月、宮城へ4泊5日のキャンプに行きました。

また雨でした。

インナーテントのループに吊るした、ティッシュで作ったてるてる坊主
ティッシュでてるてる坊主を作って吊るしました。効きませんでした。

そして、雨漏りしました。

ただ、漏れ方が去年と違いました。

貼り直したシームテープの部分からは、雨漏りしていません。 そこは止まっています。補修は効いていました。

漏れていたのは、生地そのものでした。生地が薄くなっている箇所の内側に水滴が浮いてきて、それがポタポタと落ちてくる。縫い目ではなく、面から浸みてくる感じです。

テント内側の天井。生地の面に細かい水滴が無数に浮いている
2025年8月、宮城。縫い目ではなく生地の面から浸みてきた水滴です

これは、シームテープではどうにもなりません。

宮城のキャンプ場。雨に濡れたランドロック
宮城のキャンプ場。雨に濡れたランドロック

そして結局、去年と同じことをしました。

上からタープをかける。2年連続で同じ結論です
上からタープをかける。2年連続で同じ結論です

かけているのはHDタープ”シールド”ヘキサエヴォ Pro.(TP-250)です。2016年に買ったもので、ランドロックの屋根をほぼ覆えます。いまも同じものが売られています。

タープとテントの重なり方
タープとテントの重なり方

1年後のいま

2026年の9月現在、貼ったシームテープはしっかり密着しています。 剥がれてきていません。

メーカーからは「PUが浮いているので貼り直しても冷めるとまた剥がれる」と言われていました。少なくとも1年は、剥がれていません。ここは想定よりよかった点です。

同じことをやろうとしている人へ

私の結論は、こうです。

シームテープの貼り直しは、やる価値があります。ただし直せるのは縫い目までです。

  • 縫い目からの漏れ → 直ります
  • 生地そのものの劣化(加水分解)からの浸み出し → 直りません

メーカーが「生地そのものからの水漏れも確認された」と言っていたのは、本当でした。自分で試してみて、それが裏付けられた形です。プロの診断は正しかった。

材料費は3,000円ほど、作業は部屋にテントを広げてコツコツやる時間が必要です。それで「縫い目からの漏れ」という要因をひとつ潰せる。原因の切り分けとしても意味がありました。どこから漏れているのか分からない状態から、生地が寿命とはっきりしたわけです。

そして、生地が寿命なら、答えは2つしかありません。買い替えるか、屋根をもう1枚かけるか。

うちはキャンプに行く回数が年に1回ほどに減ったので、いまは後者です。設営の手間は増えますが、晴れの日はタープなしでも使えますし、雨予報のときだけかければいい。

12年前に買ったテントが、まだ現役です。形は変わりましたが、まだ使えています。

いま売っているランドロック

私が買った2014年のランドロックは、もう売っていません。いまの現行品はTP-671Rという後継品です。

同じ名前でも中身は更新されているので、いまのモデルが10年で同じことになるかどうかは分かりません。 私が書けるのは、2014年のモデルが10年でこうなった、という事実だけです。

ただ、PU加工に寿命があるのはこのテントに限った話ではありません。どのメーカーの、どの化繊テントでも同じです。買うときに「10年くらいで防水は寿命が来る」と分かっていれば、その前提で選べます。 それが、この記事でいちばん伝えたかったことです。

長期のテント泊で電源をどうしているかは、「バッテリーの端子が溶けた日」に書きました。

この記事で紹介したもの

この記事に出てきた道具を、まとめておきます。

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